先日
国と当時の理財局長を相手取り
損害賠償を求めていた
赤木雅子さんの裁判が終結したという報道がありました。
赤木雅子さん(原告)は、
夫の赤木俊夫さんが自殺した理由を知りたい
という大きな目的がありました。
また、しっかりと国や理財局長には
真摯な対応をしていただきたい
という気持ちもあったはずです。
これらのことからおわかりのように
赤木雅子さんは損害賠償請求をしていますが、
決してお金を取りたいという目的ではなかったわけです。
ではなぜ1億円もの高額の請求になったのかと
不思議に思われるはずですが
これにも理由があるのです。
もちろん一円訴訟、
また100万円や1000万円などという
現実的な数字を請求するという方法も当然考えられます。
しかし何度も言いますが
赤木さんの裁判の目的は
「夫が自殺した本当の理由を知りたい」
「事実を明らかにしてほしい」
「真摯な態度で罪を認めてほしい」
ということです。
ですので
中途半端な金額はなぜよくないのかといいますと、
慰謝料を支払うことで争いが終結してしまうと、
肝心の「真実」が隠蔽されてしまうことも考えられたのです。
当初の目的が果たされない可能性が高いということから、
一億円、という高額な請求をしたわけです。
結果
国側は
真実を充分に明らかにしたとは言えず
また赤木さんの納得もないまま、
「1億円支払います」
「やってはいけないことを赤木俊夫さんに無理矢理させてしまい、
自殺に追い込んだことについて謝罪をいたします」
と請求を認めました。
これにより
裁判が終わってしまったのです。
さて
不貞された妻であるあなたは
この顛末を見て
どのような感想を持ちますか?
ここで
最も大事なことは
「慰謝料取れた!勝訴だ!」
という話ではない、
ということです。
誰が見たって
「お金を払えば済む問題ではない!」と
怒りが湧いてくるはずです。
そう考えれば
不貞慰謝料請求裁判だって
まったく同じことになっているのです。
たとえば
不倫女に150万円の損害賠償請求をするとします。
結果、
「150万払います」
「やりました、ごめんなさい」
極端に言うと
これだけで争いが終わってしまうのです。
しかもその150万は不倫夫が支払っているケースがとても多いのです。
もちろん不倫女が直接妻に心から謝罪することもあるにはあるでしょうが、
私が知る限りレアケースです。
多くの場合
「お金を払えばいいんでしょ?」
になってしまうのです。
「奥さんの希望の金額は到底取れませんから、もう少し現実的な金額を請求しましょう」
と説得してくる弁護士、
「相手方も収入が少なくお金が払えないとのことですし、もう少し負担のない金額にして和解をしてはどうですか?」
と私たちに勧めてくる裁判所。
このように
一歩間違えば
「お金を払えばいいんでしょ?」
で争いが終結してしまいますし、
妻に対して
真実も明らかにせず
真摯に謝罪もせず
反省の色すら見せない
そんな不倫女との争いが
あなたの納得も得られないまま
裁判が終わってしまうこともあるのです。
そんな周りの説得に
もしあなたが納得できないのであれば
今回の赤木雅子さんの気持ちを思い出してみると
あなたの
「裁判をする本当の目的」が
見えてくるはずですし、
納得のないまま
争いを終わらせることを防ぐ
こともきっとできるはずです。
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