こんばんは
勝山です
今年もお盆の季節がやってきました
旅行やお出かけの予定がある方
お仕事ざんまいの方
親戚関連行事で忙殺される予定の方など様々だと思います
あなたは
どんなお盆を過ごしていますか?
私の今年のお盆は
不要不急の外出を控えて
ひたすらブログを書く毎日になりそうです
というのも
毎年お盆の時期に
夫の実家に2〜3日お邪魔するのが恒例になっていましたが、
時期をずらして2泊3日の家族旅行に振り替えることにしたのです
8月は暑い時期ですし
夫の実家にお邪魔すると
年老いた義両親の負担も大きくなってきます
お互い楽しくストレスなく過ごせればいいな、と考えて
プラン変更です
私も含めて、年々周りも歳をとりますし、環境も変化します
それに応じて臨機応変に対応するのもいいものです
ストレスのないよう身体に気をつけて
この暑すぎる夏を乗り切りましょう😊
さて今週は
インターネット上の記事から少し離れて
「判例タイムズ」という雑誌をご紹介したいと思います
すでに
ご存じの方もおられると思いますが
この本は
法曹関係者がフレキシブルに対応していけるよう
日々アップデートされている裁判の結果などについて
さまざまな情報を収集するための有名な雑誌で
(最新はなんと1533号!)
長い歴史があります
いわば
業界新聞、業界雑誌のようなものですね
もちろん
法律家でない一般の私たちには難しい内容もたくさんありますので、
普段は「読もう」なんて気持ちにならないと思います
(^◇^;)
でも実は
一般の私たちでも簡単に読むことができますし
不倫問題や家族問題で悩んでいる私たちにとって、役に立つ内容もあったりします
この雑誌は
公共の図書館や大学図書館などにも置いていますので、
興味のある方は各地方の図書館などで探してみてくださいね!

今回ご紹介するのは
「判例タイムズ(1532号、7月号) 245ページ〜251ページ」です
たかだか6ページだと思われるかもしれませんが
文字がびっしりです(笑)
法律の文章は回りくどくて
読みづらいことも多いのですが
これにも色々と事情があるのでしょう
そういうわけで
全部読むのは大変ですし
複雑すぎる事情、細かすぎる事情は省略して
重要な箇所だけピックアップします
タイトルは
妻である被告との離婚を実現させるために婚姻費用分担金の支払をすることなく兵糧攻めともいうべき振る舞いを続けた原告が有責配偶者に当たるとして、原告の離婚請求を棄却した事例
です
この事例に「不倫」「不貞」は出てきませんが
夫が生活費を支払わない、というような
現在、兵糧攻めの被害にあっている方
あるいは
将来的にその可能性があってご心配な方にも
参考になる内容でしょう

【事件の争点】
※夫(原告)から妻(被告)への離婚請求が認められるかどうか
【状況の概要】
※お子さん2人(平成19年、平成23年生まれ)
※夫が別居をはじめてから4年以上経っている
※夫は「性格、価値観の不一致が原因で破綻、別居した、離婚したい」と主張
※妻は「破綻していない、兵糧攻めで離婚に応じさせている」と主張
※妻から夫への婚姻費用調停は済んでいる
※しかし、婚姻費用調停で決まった金額を夫は支払っていない
【判決の内容、理由など】
※性格、価値観の不一致があったかどうかはハッキリしないけど、様々な事実関係と、別居期間(4年6ヶ月)を超えているので、婚姻を継続しがたい重大な事由があったとする
※妻も婚姻関係の修復のための努力をしてこなかったので、修復の可能性がないのは明らか
※しかしながら、破綻の原因は、妻と離婚をするために、夫が一方的に別居をしたり、妻子の生活費を払わない、いわゆる兵糧攻めなど、身勝手な振る舞いを続けたことで夫婦の修復を困難にしたといえる
※なので、夫は有責配偶者に当たるし、お子さんの年齢などの事情を考えれば、信義誠実の原則に反する
※ゆえに、離婚請求は認められません(棄却)
【補足】
※裁判の尋問で、夫は「これからは婚姻分担費用を支払います」との意向を示しましたが、だからといって、今までの身勝手がなかったことにはならないから、信義誠実の原則に反している、という判断は覆されません
このような内容です
もっと詳しく知りたい方は
判例タイムズ1532号を読んでみてくださいね

概要を見ますと
破綻、離婚、婚姻費用と
様々な要因が絡んでいますので、少々頭を使う必要がありますが
これは決して珍しいケースではありません
そして
私たちの場合は、さらに複雑になったりします
例えば
「不貞があったかどうか」
「名誉毀損があったかどうか」
こういう内容まで絡んでくることだってありますものね
(^_^;)

この事例では

たしかに破綻しているかもしれないが、離婚はさすがに身勝手だ、棄却!!
という判断がくだっています
つまり
実際の裁判では
個々人の様々な事情が加味される、
ということを
皆さんに知っていただきたいのです
にも関わらず
ネット上には
「別居してから5年以上経っていたら離婚になる」
「別居して長い→破綻」
「破綻→離婚」
などと
ずいぶん単純に書いてあるサイトなんかも散見されます
そして
そういうサイトを目にして

心配で眠れなくなる
そんな相談者さんも少なくないのです
しかし決して
そういう単純な法則だけで
判決をくだしているのではない、
ということが
よくわかっていただける事例ではないかと思います
一人一人の様々な事情や
事実関係を精査して判決が出ている、と考えましょう
不服があれば
1回は審議のやり直しが出来るのです
(2回目の控訴は法律審なのでこのように書いています)
ましてや
仕事したくてもできない事情のある人が
兵糧攻めにあっている場合は
それを加味せず一方的に離婚、
そんな判決が出ることはないでしょう

この事件についてもそうですが
個人的に違和感がある判例ってのもありまして
それは例えば
「これって実は夫は不貞をしていないだろうか、、、」
(^◇^;)
と
疑いたくなることがあるのです
別居をした理由
生活費を払わない理由
離婚を請求してくる理由
これらについて
夫は「価値観や性格の不一致」と言ってますが
後付けの理由の可能性もありますし
私たちの不貞慰謝料請求においても
「妻と喧嘩したから別居した」
「仕事から疲れて帰ってきてるのに、〜〜が出来てなかったから一緒に暮らせない」
などという
「妻が悪い」理由を
たくさんたくさん出してきます
離婚したいと一方的に要求してくる側は
不倫している、という理由を隠しておきたいわけです
兵糧攻めと不倫
この両方が絡んでいる場合
また違った裁判官の判断がくだるのでは、と考える次第です
ですから
私たちもやはり
なんらかの「防御」をする必要がある、ということです
例えば
夫とのコミニュケーションを記録しておく
不倫の客観的事実を押さえておく
不倫女にきちんと「私が妻です」とお知らせに行く
このような具体的行動をして
破綻と言わせない
不倫の原因を妻に押し付けさせない
修復の努力をしている
これらも防御の一例なのです
具体的にどうすればいいのか
わからなくなったら
ぜひご相談に来てくださいね
それでは
今週もあなたにとって
良い週末になりますように🎵
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